株式会社SOFIX

SOFIXとは

ABOUT

SOFIX(ソフィックス)とは、土壌肥沃度指標と呼ばれ、Soil Fertility Indexを略した名称です。

SOFIXは通常の土壌分析(土壌の化学性、物理性の分析)に加えて、 これまで数字で表すことが困難であった土壌の生物性を科学的に分析できます。 分析結果から土壌の肥沃度を評価し、その改善の処方箋まで提案できる画期的な「土づくり」の指標です。 有機農業や循環型農業など、これからの持続可能な農業の「土づくり」に活用いただけます。 弊社代表でもある、立命館大学生命科学部の久保 幹教授らにより 農耕地土壌の診断技術として開発されました。

※SOFIXは肥料や有機資材、測定器具の名称ではなく、技術の名前です。

土の分析
土の分析
土壌細菌
葱畑

MATERIAL CIRCULATION

SOFIXがつくる物質循環型農業

自然環境の中では、植物が空気中の二酸化炭素と土壌中の無機物から、光合成によって有機物を作ります。 私たち人間を含む動物は、植物を食べることで有機物を取り入れます。 植物から落ちた葉や枝、動物の糞尿、死骸は土壌に供給され、微生物によって分解されます。 微生物の活動によって、二酸化炭素が空気中に出ていき、その他の有機物も分解されて無機物となり、再び植物の栄養源となります。 このように、物質は絶えず循環しています。

今から約100年前までは、有機物を肥料として土壌に投入し、物質循環を伴った有機農業が営まれていました。 しかし、有機農業は経験と勘に頼った農法で、「誰もがいつでも同じようにできる農法」ではありませんでした。 19世紀に入ると化学肥料が誕生し、20世紀には化学肥料を使用した化学農業が広がりました。 化学肥料には即効性があり、農産物の生産性が向上しました。 肥料成分のコントロールも簡単になり、誰もがいつでも同じようにできる農業が可能になりました。 ところが、化学農業では、微生物のエサとなる有機物がほとんど投入されないので、土壌中の微生物が少なくなります。 化学農業を長年続けた結果、病原菌への抵抗力の低下、連作障害、農作物中の品質低下などの課題が出てきました。

こうした化学農業の課題から、近年では再び有機農業が見直され、化学肥料や農薬の使用の抑制など、有機農業への転換が進められています。 有機農業を広めるためには、有機農業を「誰もがいつでも同じようにできる農業」にするための技術が必要になります。 私たちは、その技術となり得るものがSOFIX技術だと確信しています。

MERITS

  • POINT

    農業の基本「土づくり」が経験に加え、科学的指標を持てる

    土づくり

    農業生産では「土作り」がもっとも重要とされています。良い土壌とは、土壌の化学性(肥料成分、緩衝作用等)、物理性(保水力、通気性等)、生物性(有機物の分解、耐病害虫等)の三つの要素が整った土壌のことです。特に、有機栽培により高品質の農作物を生産するためには、生物性が重要となり、土壌微生物による物質循環がスムーズに進む必要があります。しかし、従来の土壌診断技術や施肥では、化学性の分析が中心であり、土壌の生物性を見ることは困難でした。つまり、土の中での微生物の働きが解りませんでした。そのため、化学肥料を使わない有機農業では、「土作り」は経験に頼らざるを得なかったのです。その結果、収量が少なくなる、安定的な生産が出来ない等の問題がありました。 ご紹介するSOFIX技術は、土壌中の微生物量(総細菌数)や、微生物による物質循環を数値で表すことで、従来の技術では困難であった生物的分析を行えるようになり、有機肥料を用いた「土作り」の科学的な処方箋を出すことを可能にしました。

    ※物質循環…有機質肥料が分解され、農作物の主要肥料成分(窒素、リン酸、カリウム)が、適切な量とバランスで供給されること。

What is clarified

SOFIXでは、従来の化学分析に加えて、土壌内の「①総細菌数」「②窒素循環活性」「③リン循環活性」「④土壌バイオマス量」などの生物性を見える化します。

土壌分析風景

01

総微生物量(総細菌数)を見える化

SOFIXでは、土壌1g中に何億個の微生物(細菌)がいるかを示します。 土壌中から細菌のDNAを抽出し、そのDNA量を指標として総細菌数を測定します。これを環境遺伝子(eDNA)解析法といいます。eDNA法では、培養できない細菌(VBNC)も正確に測定できます。

02

窒素循環活性を見える化

肥料を硝酸態窒素に変える力を測る

農作物にとって必要不可欠な「無機態窒素」を、農作物が吸収できるようになるには、有機肥料が硝酸態窒素(NO3)に分解される必要があります。つまり、その分解が効率良く行われていれば、良い土であると言えます。土に混ぜられた肥料(窒素有機物)は、微生物によって①アンモニア態窒素(NH4+)→②亜硝酸態窒素(NO2)→③硝酸態窒素(NO3)と分解されます。①→②の過程を「アンモニア酸化活性」、②→③の過程を「亜硝酸酸化活性」と言います。これらアンモニア酸化活性と亜硝酸酸化活性と、さらに微生物量を測定します。その値から、土壌が持つ「窒素有機物を硝酸態窒素に変換する力」、すなわち土の品質を診断できるわけです。

レーダーチャートで定量化

具体的には、三角形のレーダーチャートにして定量化します。三角形の頂点がeDNA法で測定した総細菌数です。そして三角形の右下が、アンモニア酸化活性、左下が亜硝酸酸化活性です。 これにより、三角形の面積が大きい土壌が、窒素循環が活発、つまり良い土であることを示します。三角形の面積が小さいと、細菌数も少ないし、肥料の分解が進んでいないことも明らかになります。

03

リン循環活性を見える化

肥料をリン酸に変える力を測る

農作物にとって必要不可欠な「リン酸」を、農作物が吸収できるようになるには、有機肥料がリン酸に分解される必要があります。つまり、その肥料分解が効率良く行われていれば、良い土であると言えます。土に混ぜられた肥料は、微生物によって①フィチン酸(有機体リン酸)→②リン酸と分解されます。①→②の過程を「リン循環活性」と言います。その値を測定し、「有機態リン酸を変換する力」、すなわち土の品質を診断します。

04

土壌バイオマス量を見える化

SOFIXでは、土壌中の有機物量についての評価も行います。これは、その土壌が微生物にとって活性化しやすい環境であるのかどうかを示しています。

主には、全炭素(TC)および全窒素(TN)の量および比率を指標にしています。 これまで蓄積してきたデータベースによれば、畑においては、TCが25,000mg/kg以上、TNが1,500mg/kg以上で、 かつCN比が10~25の範囲であれば、微生物のエサ(栄養分)となる有機物の量および比率がより良い状態となり、 窒素循環活性が高まり、植物の成長が促進されることが明らかになっています。

SPEC

SOFIX 土壌分析の分析項目は全部で20にのぼります。
その内訳は、生物性11、化学性6、物理性3。以下はその一覧です。

No. 測定項目 単位
生物性に関する項目
(物質循環に関する成分の実測値)
1総細菌数億個/g
2アンモニア酸化活性
3亜硝酸酸化活性
4窒素循環活性評価値
5リン循環活性評価値
6全炭素量 (TC)mg/kg
7全窒素量 (TN(N))mg/kg
8全リン量 (TP(P))mg/kg
9全カリウム量 (TK(K))mg/kg
10C/N比
11C/P比
No. 測定項目 単位
化学性に関する項目
12硝酸態窒素mg/kg
13アンモニア態窒素mg/kg
14可給態リン酸
・P2O5換算(乾燥換算)mg/kg
・P2O5換算(現状で水分を含む)mg/kg
・P(現状で水分を含む)mg/kg
15交換性カリウム
・K2O換算(乾燥換算)mg/kg
・K2O換算(現状で水分を含む)mg/kg
・K(現状で水分を含む)mg/kg
16pH
17ECdS/m
物理性に関する項目
18含水率%
19定常含水率%
20最大保水容量ml/kg

OUTPUT

土壌の分析結果に基づく診断書です。いろいろな微生物が気持ちよく生息できる健康な土と比較して、何が足りていないかを一目で見ることができます。

  • SOFIX(土壌肥沃度指標)

    測定した20の項目の評価と、蓄積されたデータベースから、現状の肥沃度の相対位置を知ることができます。

  • SOFIX土壌パターン判定

    土壌の品質が、いくつかに分類されたパターンのどれに当てはまるのか、また、特A、A、B、Cの4段階ランクのうち、どのランクに入っているかを簡単に知ることができます。

この土壌診断書ができ、次にやることはどのような肥料をどのくらい与えるのか、という施肥設計です。

MQI & OQI

土壌の健康診断の次は、土壌に与える堆肥や有機資材の施肥設計です。そのためには現在お使いの堆肥などの健康状態も知る必要があります。それを数値で見える化してくれる技術、それが①MQI堆肥分析と②OQI有機資材分析です。

堆肥分析風景

01

MQI堆肥分析

堆肥品質指標と呼ばれ、Manure Quality Indexの略称です。堆肥の品質を正確に評価できます。 測定項目は、①通常の肥料成分の分析(硝酸態窒素、可給態リン酸、交換性カリウム、アンモニア態窒素)の4項目に、②物質循環にかかわる分析(全炭素量、全窒素量、全リン量、全カリウム量、C/N比、含水率)の6項目と、③堆肥中の総細菌数を加えた11項目です。

02

OQI有機資材分析

有機資材品質指標と呼ばれ、Organic material Quality Indexの略称です。有機資材の品質を正確に評価できます。 測定項目は、①通常の肥料成分の分析(硝酸態窒素、可給態リン酸、交換性カリウム、アンモニア態窒素、含水率)の5項目と、②物質循環にかかわる分析(全炭素量、全窒素量、全リン量、全カリウム量、C/N比)の5項目を加えた10項目です。

SOFIX分析により土壌の健康状態を把握し、MQIとOQI分析で品質を数値化した堆肥および有機資材を施肥することにより、施肥後の土壌成分値を正確に調整することができます。そのため、堆肥および有機資材の過不足無い投与が可能となります。

認定 リボン

SOFIX分析結果から、土のランクが特A~Cで評価されます。 その内A判定以上の土壌を肥沃度が高く、美味しく、健康にも良い農産物が収穫できる豊かな土壌として認定する、 「SOFIX土壌認定」のサービスもございます。 販売される農作物などのブランディングにご活用いただけます。

詳しくは関連団体である一般社団法人SOFIX農業推進機構のホームページをご覧ください。

SOFIX土壌認定された農作物販売

各種分析サービスをご提供しています。
お客様のニーズに合わせて最適なプランをご提案させていただきます。

CUSTOMERS

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